マイクロRNAを活用したマイシグナル検査
1回の尿検査で10種類のがんリスクをAIが判定
「がん」は、今や日本人の2人に1人がかかるとされる、非常に身近な疾患です。近年の医療技術の進歩により、早期発見できれば治療の成果や生存率が大きく改善することが分かってきています。
早期発見には定期的に検査を行うことが重要ですが、「忙しい」「検査が苦痛」といった理由から、検診の受診率はいまだ高くありません。そこで開発されたのが、尿からがんリスクを調べるマイシグナルです。
マイシグナルは、尿中のマイクロRNAを分析し、10種類のがんのリスクをステージ1から特定することが可能です。尿を提出するだけで短時間に実施でき、体への負担もありません。
「痛い検査は避けたい」「喫煙や飲酒が多く、リスクが心配」「家族にがん経験者がいて不安」など、気になってはいるけれどがん検査をためらっている方にも受けていただきやすい検査です。
マイクロRNAとは?
マイクロRNAは、細胞間のコミュニケーションを担う伝達分子であり、がん細胞ではこのマイクロRNAの発現パターンが通常とは異なることが知られています。尿中のマイクロRNAは、健康な方とがんを患っている方とで特徴的な違いが見られるため、がんの早期リスク判定に活用することができます。
マイシグナルは、独自の技術でさまざまなマイクロRNAの発現パターン情報を収集し、機械学習アルゴリズムを用いてがんリスクを判定することが可能となりました。
特に早期発見が難しいとされるすい臓がんでも、感度90%以上という優れた検出性能が確認されており、痛みのない新しいスクリーニング検査として注目されています。
尿検査のみで実施できる点からも、忙しい方や検査への抵抗がある方にも受けていただきやすい検査です。

マイシグナルが切り拓く新しいがん検査のかたち
従来のがん検査では、腫瘍がある程度の大きさになったり、病期(ステージ)が進行してからでないと異常を検出できないケースがありました。そのため、検査時点で見つからなかった初期のがんが、後になって発覚することもあります。
一方、マイシグナルはがん細胞が放出するマイクロRNAを解析することで、早い段階からがんのリスクを捉えることができます。また、尿を利用した検査であるため、身体への負担がなく、繰り返しの受診も容易です。
中でも卵巣がんのように早期発見が難しいがん種において、尿中マイクロRNAを用いたマイシグナルは、早期発見の新しい選択肢として注目されています。

マイシグナルで調べられるがんの種類
マイシグナルは、尿を提出するだけで受けられる手軽な検査でありながら、精度の高い解析が可能です。身体への負担もなく、がんリスクのスクリーニングとして継続的にご利用いただけます。
検査が可能ながんの種類は、大腸がん、肺がん、胃がん、乳がん、膵臓がん、食道がん、卵巣がん、前立腺がん、腎臓がん、膀胱がんです。
マイシグナルの検査結果から、どのがんに対するリスクが高いかを明確にし、それに応じて必要な追加検査や精密検査をご提案いたします。当院では、検査後のご相談やフォローアップにも丁寧に対応しておりますので、安心して受診ください。

マイシグナルをおすすめしたい方
がんのリスクが高まる可能性のある方には、マイシグナル検査の受診をぜひご検討ください。
以下に該当する方は、早期のリスク評価を行うことで、がんの予防や早期対応につながる可能性があります。
- 喫煙歴がある方
- ご家族やご親族にがんの罹患歴がある方
- 飲酒の習慣がある、または過度な飲酒をされる方
- 肥満体型の方(特に大腸がんとの関連が指摘されています)
- 慢性膵炎や胃潰瘍の既往がある方(すい臓がんのリスク因子)
- 潰瘍性大腸炎の既往がある方(大腸がんのリスク因子)

気になる症状がない段階でも、生活習慣や既往歴によってがんのリスクが高まることがあります。該当する項目がある方は、ぜひ一度ご相談ください。
結果表レポートについて
マイシグナルでは、マイクロRNAの解析結果と生活習慣などの情報をもとに、2つの観点からがんリスクを総合的に評価します。
がんの種類ごとに推奨される次のステップが明確に示されるため、速やかに診断や追加検査につなげることができます。
- 1.総合結果
- がん種ごとにリスクを評価し、検査結果報告書としてお渡しします。単に「がんの有無」ではなく、「どの部位のがんに注意が必要か」まで具体的に分かるため、次のステップが明確になります。
- 2.がん種ごとの総合評価
各がん種について、「マイクロRNAがんリスク(現時点の状態)」と「パーソナルがんリスク(将来のリスク)」の2軸から総合的に評価しています。
【マイクロRNAがんリスク】
現在がんに罹っている可能性を示す指標です。がん患者と健康な方のマイクロRNAの発現パターンの違いを分析し、数値化して評価します。
【パーソナルがんリスク】
生活習慣や体質、既往歴などに基づき、将来的ながんの罹りやすさを評価します。リスクが高い方は、日頃から生活習慣の見直しや定期的な検査を心がけましょう。
- 3.検査後の対応について
- 「がんの疑い」と判定された場合は、どの診療科でどのような追加検査を受ければよいかをご案内いたします。
迅速に適切な診療へとつなげることができ、受診者の不安や時間的ロスを最小限に抑えることができます。